Xperia ZL2で日産カーウィングスを利用する

私は日産カーウィングス(2007年式の日産デュアリス、メーカーオプションのナビ使用)を利用していて、しかも結構ヘビーユーザーである。オペレーターサービスはもちろんのこと、情報チャンネルもフル活用、渋滞情報のダウンロードも行って、常に最速ルートが選択されるようにしている。

さて、日産カーウィングスを含め、こういった通信機能付きのナビは、たいていはBluetoothで接続している。
ややこしくなるので詳細は省くが、Bluetoothにはいくつかの「プロファイル」と呼ばれるものがある。いわば機能である。例えば、HSP(ヘッドセットプロファイル)は、Bluetooth経由でヘッドセット(まぁ、ヘッドフォンではあるが、場合によってはスピーカーなどということもあるだろう)を実現する。

こういった通信機能付きのナビは、大抵の場合BluetoothのDUN(Dial-Up Network Protocol.ダイヤルアップネットワークプロトコル)という、一昔前の通信をシミュレートするような通信プロトコルを使用する。ところが、 たいていの携帯、とりわけスマートフォンでは、Bluetoothには対応していても、DUNプロトコルを実装していないのである。
従って、日産カーウィングスの「携帯対応確認ページ」へ行くと、スマートフォンには一部機種を除き対応していない旨書かれている。これが、私がずっとガラケーを利用してきた理由である(もちろん、ガラケーでも対応していない機種はある。なので、事前にこの表をチェックして対応機種を購入するわけである)。

しかし、いつまでもガラケーに縛られるのもいやである。私自身とうとう我慢しきれずスマートフォンに乗り換えてしまった。機種は、auのXperia ZL2 (SOL25)である。
もちろん、日産カーウィングスのページには対応表は載っていないし(まだ出たばかりだし),おそらくDUNプロファイルは実装されていないので対応しないだろう。しかしそう黙ってカーウィングスを諦めるのはいやである。そこで考えたのは、DUNを実現するソフトウェアをスマートフォン側にインストールするという手である。

幸い、こういう、DUNを実現するアプリがいくつかある。代表的なものでは、

と、複数出ている。

今回はこの3つを試してみた。その結果、まずbt Dunはアプリを起動すると異常終了して使えない。残り2つ、BlueDunとCobaltBlue 3に絞られることになった。

両者ともお試しモードだと意外にあまり安定して通信できない。一応通信はできるようなのだが、2回続けるとつながらなかったりする。そこで、意を決してどちらか購入して試すことにした。今回はCobaltBlue 3をチョイス。こちらの方が価格が高いのだが、通信の安定性がお試し版の時点で若干上だったのと、日本人による開発のため日本語でのサポートが(万一の場合)受けられそうだ、というのが理由である。

では、インストールを始めよう。
最初に、CobaltBlue 3をインストールしておく。支払いも済ませておこう。
正式版になると、Bluetoothと連動してアプリが起動できるようになるので、アプリ内の設定からその機能をONにしておく。

まずは、カーウィングスナビ側での設定である。
スマートフォンの接続に際しては、最初に携帯電話を登録する必要がある。通常は会社を普通に選べばいいのだが、Xperial ZL2のような「au (LTE)」などという選択肢は当然2007年型デュアリスのナビには存在しない。そこで、携帯電話は手動登録する。
(追記: 多分、どの携帯電話会社、あるいは通信方法を選んでも大丈夫なような気はする。)
携帯電話は手動登録を選び、番号だけ自分の番号をセットしておく、あとの設定はいじらない。ここで、カーナビ側に表示が出て、「この状態のまま、携帯電話を操作します…」という表示が出る。まだここではスマートフォン側のBluetoothは起動しないようにする。

次にスマートフォンをBluetooth接続させる段である。この時点でCobaltBlue 3がインストールされている必要がある。
ここで、スマートフォン側でBluetoothを起動する。この時点でスマートフォン側には、MY-CARという機器と接続する(ペアリング)ためのパスワード(数字である。もし設定を変えていなければ1234)を入力する画面が出るので、間違わずに1234を入力する。このMY-CARがカーナビである。
うまく接続できれば、カーナビ側にも「携帯電話が登録されました」という表示が出る。これでOKだ。

よく間違えやすいのが、CobaltBlue 3をインストールしていない状態で接続し、アンテナが立っているので接続できると思ってしまう状態である。このアンテナは単にハンズフリーフォンでの通話が可能かどうかを示すだけであって、肝心の通信機能を意味するものではない。したがって、上記の手順を踏む必要がある。

今のところ、以下の機能については問題なく作動することを確認した。

  • 一般的な通信機能(情報チャンネル)
  • オペレーター通信(オペレーターに目的地を伝え、その情報をダウンロードし、目的地を設定)
  • 渋滞情報(定期的に取得)
  • CDタイトルの検索・ダウンロード

したがって、一般的なカーウィングスの機能はほぼ使えるといってよいだろう。

もう1つの大きな障壁は、電話帳の転送である。これはGoogleの連絡帳が転送されるのか、内蔵(ローカル)の電話帳が転送されるのかよくわからないので、まだそのままにしてあるが、いずれ試してみたいと思っている。

カーナビも、DUNを必要としない方向に向かっているようである。日産のカーウィングスは、最新のものであれば通信モジュールを内蔵しており、携帯電話やスマートフォンはあくまでハンズフリーシステムとしてだけ動作するようになっている(例えば、V37スカイラインの内蔵カーナビ)。
いずれ、このシステムに置き換えられていくとは思うが、それにはまだ多少時間がかかりそうである。それまでのつなぎとしても、あるいはスマートフォンライフとカーウィングスを両立させたい方にも、ぜひ試してみてもらいたい。