というわけで、長いフライトのあとの長い(?)ドライブでフラッグスタッフにたどり着いたわけですが、多くの人はなぜ「フラッグスタッフなの?」と思うことでしょう。
フラッグスタッフには、アメリカ地質調査所(USGS)の宇宙地質学(Astrogeology)セクションがあります。アリゾナ隕石孔からもすぐ近くにあり、まさに天体のフィールドワークを実地で行える場所に、こういうセクションが設けられたのは自然なことといえましょう。
現在では、この部門は、月・惑星探査のデータ処理やそのためのソフトウェア開発などを幅広く行なっています。今回、USGS Astrogeology Sectionのメンバーが主催して、ツール開発者や利用者など、いろいろな立場の人が一同に会してのワークショップ開催となったものです。
さて、会場は北アリゾナ大学(NAU: Northern Arizona University).街中にある大学です。最初は「どうせ単科大学くらいだろう」と思っていたのですが差にあらず。でかいキャンパスには25000人の学生が学んでいます(ただ、実際にはサテライトキャンパスがあるので、学生数はもう少し少ないみたいですが)。
実際、街中を歩いていると、どうみても学生さんという人たちを多く見かけました。歴史ある街ではあるが、若い人達で活気もあるというのは、本当に私の住んでいる街、会津若松とそっくりです。いつか姉妹都市になったらいいのになぁ。
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会議会場は、大学の南側にあるデュボイスセンターというところです。北側の入り口から入ると、大学の中を10分ドライブしてようやく着く、というところです。もう夏休みなのか、大学はあちこちで工事中で、片側通行や回り道があったりします。
今回のワークショップ参加者は約150人というところ。前半はユーザ主体のセッション、後半は開発者主体のセッションで、両方の日程が重なる水曜日に両者の立場からの議論、というスタイルになっています。私は両方の立場からの出席としました(結果的にはそれが正解でした)。
議論は初日から非常に濃密で、メモをとっているノートのページがあっという間にふくれあがっていきます。あまりに多くの情報でこちらがお腹いっぱいになってしまうくらい、役立つ情報、素晴らしい成果、そして同じことをやっている仲間との出会いがありました。
月・惑星探査のデータ管理や公開・解析などのシステムを作る人というのはなかなか少ないかと思っていたのですが、世界的にも結構たくさんいる、というのは嬉しい誤算でした。ただ、多くがUSGSやNASA(とりわけJPL)というところは指摘しておいた方がよいでしょう。
時差ボケは大変ではありますが、それをおしてでも満足する、そしてワクワク、興奮するような内容で、つくづく「来てよかった」という思いを新たにしました。