私が乗っている日産デュアリス、というか、日産キャシュカイですが、そろそろ新型の噂がいろいろ出てくるようになってきたみたいです。キャシュカイはヨーロッパ向けはイギリスで生産されていますが、そのお膝元であるイギリスの自動車雑誌、オートエクスプレスの記事で、新しいキャシュカイ(デュアリス)の発売時期などの情報が出ています。
- New Nissan Qashqai 2014 release date & price rumours
http://www.autoexpress.co.uk/nissan/qashqai/63525/new-nissan-qashqai-2014-release-date-price-rumours
この記事をみていきましょう。一応重要なポイントの翻訳を箇条書きで。
- 9月に開催されるドイツ・フランクフルトのモーターショーで、新型エクストレイル(プラットホームを共有)が公開。キャシュカイはその後1ヶ月ほどで発表となり(おそらくは11月)、年末には販売開始される。なお、販売に関してはエクストレイルより先になり、こちらの方は来年早期ということになるだろう。
- このフランクフルト・モーターショーではキャシュカイは公開されない。ただ、販売に先立ってティザーキャンペーンが展開される可能性はある。
- 今回の新型キャシュカイには、ヨーロッパで販売されているキャシュカイ+2(3列シートを備えたキャシュカイ)はラインナップされない。
- 新型キャシュカイのセールスポイントは、より上質感を高めたインテリア、足元スペースの拡大、燃費向上及びCO2排出量の削減となる。
- 価格は現行キャシュカイよりはそれほど高くならない予定。
- エンジンは、1.2Lガソリンエンジン(スーパーチャージャー付き)と、1.6Lディーゼルとなる予定。1.2Lタイプは113馬力。1.6Lディーゼルは現行と同様だが、CO2排出量などを見直したより「エコな」エンジンとなる予定。※ヨーロッパでのラインナップ
- 車体サイズは若干現行より大きくなる。
- スタイリングは、より大胆な形状のフロント、ダイナミックなサイド及び後部のデザインが特徴となる。
- プラグインハイブリッド(PHV)タイプも用意される予定。こちらは約1年遅れ、2015年にヨーロッパ市場に投入される。
- 生産は現在と同じ、イギリス・サンダーランド工場となる。
以上の情報は、これまでの情報とも非常に整合性があります。ただ、PHVを用意しているとはちょっとびっくりです。ただ、PHVについては、日産のアンディ・パーマー副社長も確認済みとのことで、確度の高い情報といえるでしょう。
現行キャシュカイの弱点が「内装」であることはかなり前からいわれていましたので、内装(インテリア)の向上がセールスポイントとなることは間違いなさそうです。デザインについては、すでにオートエクスプレスがスパイショットを激写しています。
- New Nissan Qashqai spied
http://www.autoexpress.co.uk/nissan/qashqai/64264/new-nissan-qashqai-spied
まだカバーがかかっているのでわかりにくいのですが、現行キャシュカイの特徴を受け継ぎつつ、よりダイナミックなスタイリングになっているようにみえます。また、かなりはっきりとした「赤」の車体であることが、カバーの隙間から垣間見えます。
さて、問題は日本市場への導入がどうなるかです。
現行キャシュカイは、ヨーロッパの販売開始から2ヶ月遅れで日本市場に投入されました。これともし同じパターンを踏むとすれば、日本でも来年のかなり早い時期には販売開始になると考えられます。
問題はパワートレーンです。日本で現行と同じ2.0Lガソリンエンジン+CVT-M6を導入するのか、ヨーロッパと同じ「ダウンサイジングコンセプト」の車両を導入するのかは判然としません。私自身は、日本では現行と同様、2.0Lガソリンエンジンの車両を投入すると思います。なお、アイドリングストップなどの燃費向上策を入れてくる可能性は十分にあります。
さらに気になるのが、PHVの存在です。意外に日本ではまずPHVを先に(あるいは同時に)デビューさせ、ヨーロッパではむしろ遅らせるという可能性が考えられます。国内市場ではスバルのXVハイブリッドや三菱のアウトランダーPHVなど、同じセグメントでのハイブリッド化がかなり進んでいますので、市場訴求力という点でPHVを日本市場に先行投入することは考えられます。
ただ、日産のハイブリッドトレーンについてはあまり情報がないため、このあたりはよくわかりません。日産はハイブリッドモデルとしてFR用とFF用を持っているようですが、FF用については現在投入がアナウンスされているハイブリッドモデルはアメリカ市場用のアルティマです(2014年モデル)。FF用はCVTと一体化されていて、2.0Lから3.5Lまで適合可能とされていますが、アルティマに搭載されるものは2.5L(スーパーチャージャー過給)のようです。
より小さいエンジンのものを開発しているかどうかは、現時点でも情報がありません。
今回の情報を補強する材料として、日産自動車がプレスリリースで発表した、モジュール生産のニュースがあります。
- コモン・モジュール・ファミリー(CMF):ルノー・日産アライアンスの新たな開発手法
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2013/_STORY/130619-01-j.html
このCMFというのは、エンジン部分やシート、電装系といった車両の構成部分をモジュール化し、日産およびルノーの複数車種で共用しようという考え方です。プラットホームや部品の共有からさらに一歩進めて、ある程度のまとまった単位で共有を進めることで、開発の効率化、価格の削減などを狙うというものです。
ここで出てくる言葉として、このCMFが適用される最初の日産車として、「2013年後半に発売されるローグ、キャシュカイ、エクストレイルの後継車」という言葉が出てきます。プレスリリースですからこの点は間違いないといえるでしょう。つまり、2013年後半にはこれらの後継車が出ることを日産としても認めていることになります。
この先いろいろ情報が出てくるとは思いますが、何となくかなり情報管理を徹底しているような感じを受けますので、出てくるまでは全くわからないという可能性もあります。いずれにしても現行を超えるモデルが出てくることを期待したいところです。