ディストリビューション系の場合、yumやup2dateなどを利用しても可能だが、その場合、バージョンはそのディストリビューション固有のもの(RHEL4やCentOS4であれば2.6.9, RHEL5/CentOS 5であれば2.6.18)に固定される。そのため、それ以上のバージョンのカーネルを使いたいという場合には、カーネルだけをアップグレードすることも可能だ。
ダウンロードしたカーネルファイルを/usr/src以下に展開し、
make menuconfig make clean make bzImage make modules make modules_install make install
でカーネルを作り上げることができる。
なお、旧来のカーネルは必ず残すこと。いざ起動できなかった場合、旧来のカーネルでの起動が必要になるからである。
※2.6系カーネルの場合、2.4系と作り方はほぼ同じだが、1カ所だけ、"make dep"が不要となった。
Linux 2.4系列では、VFAT(Windows 9x系のファイルシステム)における日本語の扱いが改良されている。以下で述べる機能をonにすることによって、Windowsで利用している日本語のファイル名をそのまま、Linux上でも使うことが可能になる。
基本的には、2.4系列のカーネルを再構築することになる(もしディストリビューションによって既にこのような設定がなされていればいうことはないが、まぁそこまでしているとは思えないので、カーネルの作り直しをおすすめする。
・カーネル構成のオプション
File systems ->
DOS FAT fs support => ON
VFAT (Windows-95) fs support => ON
Native Language Support -> Default NLS Option
ウィンドウが出てくるが、ここで"euc-jp"と入力する(カーネルの再構築でもパラメータを入力するところは少ないので、注意)。
あるいはShift_JIS系の場合にはsjisを入力する。
Codepage 932 => ON
あとは再コンパイルして、新しいカーネルで再起動する。
・/etc/fstab側の設定
デフォルトがeuc-jp, あるいはsjisになっていれば、VFAT-JPで使われていたeucオプションなどは不要。システム側で自動的に判別してくれる。
・Red Hat 7.xなどのディストリビューションの場合
最近のディストリビューションでは、既にVFATが最初から利用できるようになっているものが多いので、例えば/etc/fstabで、マウント・オプションに以下を追加する。
codepage=932,iocharset=euc-jp
実際には、このオプションだけだと、ユーザが書き込めないことになってしまう。uid, gidの各オプションも加えて、マウント時に所有者を決めてしまうのがよい。例えば、上に加えて、ユーザIDが500、グループIDが500のユーザが所有者及び所有グループになる場合には、マウント・オプションは以下のようになる。
codepage=932,iocharset=euc-jp,uid=500,gid=500