ISISをインストールする

概要

これまでの操作で、既にISISの配布ファイルを(ネットワーク経由なり、CD-ROMでなり)入手したはずです。ここでは、これらをインストールする作業について解説します。

インストールの下準備

まず、インストールに必要となる「道具」が揃っているかどうかを確かめましょう。
特に、ファイルを展開するためには、GNU gzipが必要です。たいていのシステムにはインストールされていると思いますが、もしインストールされていない場合、ダウンロードしてきたパッケージを展開するか、GNUのサイトからgzip-1.2.4.tarをダウンロードし、インストールする必要があります。
これらのパッケージをインストールする場合には、次のようにします。
(以下、"%"はコマンドラインプロンプト、"#"はスーパーユーザのコマンドラインプロンプトを意味します。入力すべき内容は斜字体で書いてあります。)

% tar xf gnugzip.tar
% cd gzip-1.2.4
% ./configure
 (出力)
% make
% su (スーパーユーザへスイッチ)
# make install
# make install.man

なお、すぐにgzipを実行できるように、インストールの終了後にはrehashコマンドを実行しておくとよいでしょう。

ISIS基本ソフトウェアのインストール

まず、古いISISのソフトウェアを導入している場合は、それらを上書きしないように、削除するか、tarなどを使って書庫にまとめるか、ディレクトリ名を変えるかしておきましょう。
さて、準備ができたところで、インストールにかかります。まず、インストールするディレクトリですが、ここではISIS本体及び解析用パッケージを/usr/local/isisr/へ、TAEについては/usr/local/tae/以下にインストールすることにします。以下の説明もそれに沿って行います。
インストールはスーパーユーザか、そのディレクトリに書き込み権があるユーザで行うことをお薦めします。
(注)ISISをインストールするディレクトリ名には、大文字を使わないでください。TAEでは大文字を強制的に小文字に直してしまうため、プログラムを実行するときに問題が生じます(但し、Linux版ではこの制限はありません)。

  1. まず、ISIS用のディレクトリを作成します。

    # mkdir /usr/local/isisr

  2. CD-ROMからインストールする場合、CD-ROMにはISISのファイルが圧縮されていない状態で保存されていますので、これを/usr/local/isisr/以下にコピーします。
    (注)以下の説明では、CD-ROMは/cdrom以下にマウントされていると仮定しています。CD-ROMのマウント方法については特に解説はしませんので、お使いのシステムのマニュアルなどを参照してください。また、お使いのシステムによっては状況が異なる場合がありますが、その時にはこのディレクトリ名を適当に読み替えてください。
    また、以下ではSolaris版をインストールすると仮定していますが、この部分もお使いのプラットフォームによって変更してください。

    # cp -r /cdrom/solaris/isisr /usr/local/
     または
    # cd /cdrom/solaris
    # tar cf - isisr | (cd /usr/local; tar xf - )

  3. ネットワーク経由でダウンロードしてきたファイルをインストールする場合には、このファイルを/usr/local/isisr/以下に展開します。
    以下では、ISIS本体が入っているファイルを/somewhere/isis_YYMMDD.tar.gzとします。また、gzipにより圧縮されたファイルを標準出力へ出力するコマンドは、gzcatとしていますが、システムによってはzcatとなっている場合があります。

    # cd /usr/local/isisr
    # gzcat /somewhere/isis_YYMMDD.tar.gz | tar xf -
     または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
    # cd /usr/local/isisr
    # gtar xf /somewhere/isis_YYMMDD.tar.gz

  4. 同じ要領で、ISIS基本データをインストールします。CD-ROMからインストールする場合には、データが入ったCD-ROMをマウントした上で、展開します。
    ・CD-ROMからのインストール

    # cd /usr/local/isisr
    # gzcat /cdrom/data.tar.gz | tar xf -
     または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
    # cd /usr/local/isisr
    # gtar xf /cdrom/data.tar.gz

    ・ネットワーク経由で入手したファイルのインストール

    # cd /usr/local/isisr
    # gzcat /somewhere/data.tar.gz | tar xf -
     または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
    # cd /usr/local/isisr
    # gtar xf /somewhere/data.tar.gz

各解析パッケージのインストール

解析パッケージは、必要に応じてインストールします。例えば、クレメンタインのデータ解析用パッケージをインストールする場合には、次のようにします。

・CD-ROMからのインストール

# cd /usr/local/isisr
# gzcat /cdrom/clemdata.tar.gz | tar xf -
 または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
# cd /usr/local/isisr
# gtar xf /cdrom/clemdata.tar.gz

・ネットワーク経由で入手したファイルのインストール

# cd /usr/local/isisr
# gzcat /somewhere/clemdata.tar.gz | tar xf -
 または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
# cd /usr/local/isisr
# gtar xf /somewhere/clemdata.tar.gz

必要に応じ、他のファイルも同じ要領でインストールします。

TAEのインストール

TAEは、ISISと区別するために、別のディレクトリ(/usr/local/tae/など)にインストールすることをお薦めします。ISISと同じディレクトリにインストールすると、うまく動作しない場合があります。
TAEもISIS本体と同様にしてインストールしてしまいます。

・CD-ROMからのインストール
(注)以下の説明では、CD-ROMは/cdrom以下にマウントされていると仮定しています。CD-ROMのマウント方法については特に解説はしませんので、お使いのシステムのマニュアルなどを参照してください。また、お使いのシステムによっては状況が異なる場合がありますが、その時にはこのディレクトリ名を適当に読み替えてください。
また、以下ではSolaris版をインストールすると仮定していますが、この部分もお使いのプラットフォームによって変更してください。

# cp -r /cdrom/solaris/tae /usr/local
 または、
# cd /cdrom/solaris
# tar cf - tae | (cd /usr/local; tar xf -)

・ネットワーク経由で入手したファイルのインストール

# cd /usr/local/isisr
# gzcat /somewhere/tae.tar.gz | tar xf -
 または、GNU tar (gtar) をインストールしてあるなら
# cd /usr/local/isisr
# gtar xf /somewhere/tae.tar.gz

以上で、ISIS及びTAEのインストールは終わりです。

インストールを終わる前に

  1. 配布されたISISのパッケージは、所有者やグループ名が自分のサイトとは異なっているため、ls −lgコマンドなどで表示させると、所有者やグループの表示がおかしくなっている可能性があります。これを解消するために、所有者やグループを変更します。スーパーユーザになり、次のコマンドを実行します。

    # chown -R root.root /usr/local/isisr/
    # chown -R root.root /usr/local/tae/
     または
    # chown -R root /usr/local/isisr/
    # chown -R root /usr/local/tae/
    # chgrp -R root /usr/local/isisr/
    # chgrp -R root /usr/local/tae/

  2. ISISには、リリース後に修正用のパッケージ(「パッチ」といいます)が配布されることがあります。もし、リリースよりも新しいパッチが配布されている場合には、それを入手してインストールしておく必要があります。
    パッチは、ISISのシステムそのものに対しての場合と、各解析パッケージに対しての場合とがあります。どれに対してのパッチであるかは、ファイル名から容易に区別できるようになっています(例えば、patch_galdata_YYMMDD.tar.gzとなっていれば、ガリレオ解析パッケージ用のパッチです)。
    パッチのインストールについては、上で述べたシステムのインストールとまったく同じです。そのまま配布パッチファイルを展開してください。

ISISの入手 ISISの入手 ISISのセットアップ ISISのセットアップ


J-PIARトップへ
J-PIAR トップへ
ISISトップへ
ISIS トップへ