画像解析ツール - GCC (GNU C Compiler)
厳密な意味では画像解析ツールとはいえないが、画像解析用のツールを自作する場合にはどうしても必要となるCコンパイラである。
画像解析の過程では、画像フォーマットの変換などでどうしてもちょっとしたプログラムを作る必要が出てくる。このようなときには、もちろんUNIXならばシステムに付属してくるCコンパイラでもよい。しかし最近のUNIXシステムにはコンパイラが付属してこないケースもあり、また性能の面からみて劣っているものもある。
gccは、GNUプロジェクトにより開発されたCコンパイラであり、無料で入手することができる。gccを使うことにより得られる利点は次のようなものもある。
- まず無料で手に入る。個人で数万円のCコンパイラを購入しようとするとなかなか手が出ないが、無料であれば問題なく使える。
- いろいろなシステムに対応しているため、事実上業界標準となっている。このため、gccでコンパイルできるようにしておけば、他のシステムへ移植するときにも手間を減らすことができる。
- コンパイル速度が速く、また最適化などの技術に優れている。できあがる実行ファイルのサイズも小さい場合が多い。
- ANSIで定められている規格に完全に準拠している。古いUNIXシステムではCコンパイラが昔の仕様を引きずっている場合があるが、gccであればその点に関しては全く問題はない。
- クロスコンパイル機能も持っているため、例えば別のプラットフォームで実行するようなプログラムも作成することができる。
一方で、次のような問題点も考えられる。
- インストールに手間がかかる。PC版であればインストール用パッケージを入手するだけでよいが、それでも若干の時間がかかることは覚悟する必要がある。
- 配布パッケージが大変大きい。圧縮されたソースファイルだけで数MBあるため、プログラムの入手などが大変な場合もある。
これらの問題点があるにしても、もし何かツールを作ろうという場合には大変有用であるには違いない。
gccは現在、UNIX用がソースファイルパッケージとして配布されているほか、Windows95/NT用(Win32用)がCygnus社から配布されている(日本法人である日本シグナスソリューションズのホームページはこちら)。特に、Win32用はベータ版ではあるものの、UNIXにおけるgccの機能をほぼ全て移植してあるため、Windows95/NT上でコマンドラインベースのプログラムを作る分には極めて役に立つ。
gcc(UNIX用)の入手
gcc(Win32用)の入手