本章では、MQDBへアクセスするためのライブラリ群の設計についての基本的な考え方
について述べる。ライブラリの詳細な仕様については、「月震データベース ライブラリ仕様」に述べられている。
月震データベースアクセス用ライブラリ(以下MQLIB)は、MQDBへのアクセスを行うための、移植性の高い、階層的なライブラリである。本ライブラリは、次のような3層からなるインタフェース層、ユーティリティ関数、及びFORTRANサブルーチンの5カテゴリに大別される。
- 上位インタフェース関数
データファイルの読み込み・書き出しや、ヘッダの整合性チェックなどを行う。ユーザプログラムから呼び出される。
- 中位インタフェース関数
実際にヘッダから文字列を取り出したり、ヘッダ文字列の操作を行う関数群である。上位インタフェース関数から呼び出される。
- 下位インタフェース関数
文字列操作や変数変換などを行う、基礎的なライブラリである。上位及び中位インタフェース関数から呼び出され、ユーザプログラムから呼び出されることは想定していない。
- ユーティリティ関数
月震データベースへのアクセスとは直接関係のない機能を提供している関数である。これらの関数には、月震データファイルの時間表現の変換や、時間差を計算する関数などが含まれる。
- FORTRANサブルーチン
FORTRANから月震データベースを利用するためのサブルーチンで、上記、上位インタフェ
ース関数及びユーティリティ関数と同等の機能を提供する。
従って、ユーザが利用する関数は、C言語の場合には上位インタフェース関数、ユーティリティ関数、FORTRANの場合にはFORTRANサブルーチンのみである。